1+1=1


不思議な夢だった。
サミーと小さな箱のなかで戯れている。
まるでベッドのなかに本当に潜り込んできたのではと思えるほどリアルで、
温かだった。

双子の兄妹のようにもともと一つだった胎内で二人で?遊んでいる。
もともと一つだったから、いまさら結合しようと努力することもない。
かすかな目線や、仕草や、はいとかうんとか簡単な言葉のやりとりだけで、
一つになってしまう。

母親と歩き始めたばかりの小さなこどもが手をつないで歩く後ろ姿を見て思った。
1+1=3になるのは、1+1=1の不可能性の証ではないかと。