鳩尾(みぞおち)のあたりを風が吹き抜けている


ような喪失感、欠落感、欠損感を感じさせるもの。
喪失の瞬間は、吹き抜けるどころではない、どてっぱらに風穴を抜かれる感覚だろう。

行きつけの店のマスターの突然の入院休業、Sのメッセンジャーがいきなりオフライン、ブログのペットが表示されない、携帯の加入者がいません表示、などなど、ネット、リアル色々あるが、最近気になるのは、後のネットとの関係で起きる欠損だ。

「インターネットが繋がらない程度で…」とは今や誰も言えなくなって来た。
これは実は大変なことなのだと思う。

もちろん喪失という体験、それに伴う感情は、ヒトが地上に出現以来の経験だろう。
それ自体にさほど変化はないはず。だが、違うシチュエーションで、風穴を抜かれる体験の回数が確実に増えていくことは間違いない。

個人差、状況差が大きいに違いないが、例としてはブログのペットが一番いいかも知れない。「あんなもの、別にオモチャだし、アクセサリだし」と思うのは普通だが、いきなり何かの障害で現れなくなると、「寂しい」という感情を持つに至ることはある。
このペットこそ、たかがネット上の…の典型なのだが、ネットとの関わりで生じる、喪失感、欠落感、欠損感のトレースには適当な題材だ。

一時期議論沸騰し、最近はあまり表面には出てこないバーチャルリアリティの問題が日常化しているということなのだ。